おしゃべり居酒屋

2020/11/11 | Categories:ブログ

朝の挨拶の前に「酒がのこってるぅ〜」と師匠。確かにプーンとお酒の残り香、と思ったら年配の職人さん同士で談笑してる!!!ここはおしゃべり居酒屋ですか?!と、いうくらいひと昔前には想像もつかなかった光景です。

昔の製造現場の光景は、皆が眉間にシワを寄せてうつむいて、口の重たい職人が醸し出す独特の空気で気圧が何十倍にも感じる様で非常に重苦しかったのです。企業理念なんてそっちのけ、同じ現場仕事でも治具をそれぞれが作り、「我こそがいい仕事をする!」と競い合っていました。

現代の製造現場の環境と、職人間の関係性と人間性は、白い歯が見え、会話が折り重なって本当にほんとうに良くなりました。いつの時代も手先の器用な職人の生き方は不器用なものですが、年配職人さんこそ、未来時代に先駆けて柔らかく順応されていることを教えて頂きます。

ただ一つ、現代の職人にとって厳しく、暗転してしまったのは、昔と違い、その仕事の適正を覚えるチャンスはかなり少なくなったことだと思います。自分が、自分が!としてしまった過去の私に残ったのは空虚感ですが、時代の恩恵で何度もやり直すチャンスをいただいてやっと気が付いた。

技術職に大切なことは、終えた後、自分に何が残るか、後継に何が残せるか、の様に私は思います。

福西


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