これからの職人、の未来。

2013/05/30 | Categories:ブログ

毎日、オリンピックの競技選考の話題で賑わっておりますが、「mokkou」だって、刃物研ぎの時は無酸素運動だし、鉋がけは腹筋に効くし、立派なスポーツやわっ!って思っている福西です。

 

さてさて、最近はというと、職人さんて凄いなぁ~なんて改めて思っています。
何が凄いかと言うと・・・

実を言うと・・・・職人さんたちはキッチリ仕事している訳ではないからです。数字通りでは無い、図面通りでは無い、そう!もしかするとズボラなのかもしれません!!まず手押し鉋では、教科書を無視しています。「自動鉋で反対を削ったらこうなるだろう」という予測を立てて、真っすぐ通りをつけないで凹に凸に加減しているのです。大留だって、90度=45度+45度にしないのですから大そうひねくれ者です。

 

ひと昔前、職人さんが社会の中でも地位の高かった全盛期。一軒の家に建具が30枚も40枚も在った時代、受け取りで仕事をしていた職人さん達のバトル、壮絶な闘いだったことが想像出来ます。

その方たちと一緒に仕事をした時、今の若手と呼ばれる職人たちは、当たり前ですが勝ち目はありません。何せ、やってきた事が、時代背景が、勘と経験が違うのですから。

鉋を半年で潰してしまう様なスーパー仕事っぷりの昔の職人が、「キレイに早く」を武器にしていたのなら、これからの職人は一体何を目指せば良いのでしょうか。未来には何があるというのでしょう。

 

私たちは何をしたら良いか、、何を磨いたら良いか、、、と考えています。

 

少しだけ、行き着いた答え。

勘と経験に太刀打ち出来るのは、「やった事ないから出来へん」と言わない強みかなぁ。難しさを知らないトンチンカンとも言えます(笑)
ヘンなものでも作ります、どんな仕事も同じように愛情を注いでアリガタイと思って作ります。むしろ、皆が出来ない事をしますくらいの技術力、そういう時代なのでしょうか。
 

あと、これからの職人は「センス」を磨く時代だと思います。

モノ作りに関するセンスはもちろんですが、もっと大事なことは、一般常識のセンスだと思います。職人だから癖がある、ヘン子、我儘が認められる時代ではありません。
木工は奥は深いけれど、とても狭い世界の中で頭が高くなってはいけません。
これからの職人は、言葉も、タイミングも知らなければいけない。字だって書けないといけないと思います。そうやって磨いていけば、職人だって、医者や弁護士にはならずとも、社会の中で認められる、必ず大きく飛躍出来る時が来るはずです。
ただひとつ、どの時代も変わらない事は、お客様によって職人は腕を磨けるという事を忘れてはいけないと思うのでありんす。

 

 

 


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