そこに山があるから

2015/02/16 | Categories:ブログ

福西です。
小さい頃、実家から50メートル程の所にある親の経営する小さな会社に毎日のように出入りしていました。陳列商品やコピー機、ブラウン管パーソナルコンピューター、社長椅子などが好きで、逆に真っ暗な地下室や先代の遺影などが恐かったけれど、事務所や倉庫を持つ事に何となく憧れを抱いていました。
大人になってからは数回のアルバイトを除いてはほぼ出入りしなくなりました。

しかし最近、歳もとった親のパトロールという名目で、帰宅時には顔を出したり雑用をしています。そこでふと、以前からずっと疑問だった事を思い出しました。
親は親の人生であって、子は子の人生。
親が子の人生を食い物にしてはいけないし、逆もいけないと強く思っていました。
だから、世間の後継者の子に対して、肯定的な見方をしていませんでした。

しかし、一緒に時間を過ごすうち、家の仕事を守るという事がどれだけのことかと少し感じるものがあります。私は好きな事を仕事にさせてもらっていますが、家の仕事を継ぐ人には好きや嫌いだとそれは選びようがない。私は後継となる人の気持ちが今までよく解らなかったのですが、丁度テレビで登山の番組を観ていて、「この人たちはなぜ命の危険を冒してまで登るのかなぁ?」と母に言ったところ、「そこに山があるから」と返って来ました。

 

なぜ親の仕事を継ぐのか、、、なるほど。

 

親は、私にあまり手伝いをさせません。
複雑に思う気持ちもありつつ、親のその想いを感じ、体を壊させない配慮だけは子の勤めかな、と思う今日この頃でございます。

 

 


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