どなたか家を建てませんか?

2020/05/13 | Categories:ブログ

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ずいぶん昔の写真が出て来ましたが、京都五重塔が丸窓から覗き見られる凝った造りの邸宅です。夏場の涼をとる為に入れかえる葦戸ですが、本式の製作は今やもう例のゴッドハンド職人さんのみ出来る者はいません。

葦の洗い方から竹の押さえの穴の彫り方、葦の納め方、こういった建具は職人の一挙手一投足全てに意味が込められていて作法とはいかないまでも決めごとが多くあると思います。

この時代の工場は、職人に例えば書院の仕事が舞い込んだ際、書院障子やまくらの図案はその者の腕に任されるところがあって、志のある者は社長に「香の図や蜀江をさせてくれ!」と談判しに行くのです。そしたらまず、駄目だとは言われない。「時間内に上げろよ」となって、傍目で見ていて面白かったものです。

普段の仕事でも、良い材料を使う仕事は、目地胴付きよりかは面落ち、よりかは一分面、さらに几帳面の腰型、をさせてくれ!と一応交渉可能なところは無きにしもあらず。

自分がレベルアップしていくと、必ず立ちはばかる大きな壁は「伝統」。

ずいぶん遠回りして気がついたことが多くありますが、葦戸、、正しい工法とその意味を学びたいです。福西


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