ものさしを持たないもの作り

2015/06/19 | Categories:ブログ

福西です。私が工場で誇るナンバー.1は、大西商店イチの大都会っ子な事です。
キタやミナミに近い、生粋の市内っ子です。都会は物がありふれていて不自由なく、情報量も必要以上です。本当に大切なものを見失わない様にしなければ流される環境ですね。

 

はてさて、もの作りの現場にも、毎日ストーリーがあります。
職人とは皆、こだわりの強い生き物です。自分だけの感覚や段取りで出来る一人作業においては自分とさえ向き合えば良いので、出来上がるものが上々であることは当然とならなければいけません。

そしてそれが職人と職人の複数になった場合。共に何かを成し遂げようとした時、互いにこれまでの環境や考え方、感覚、大切にしたいもの、一つとして重なるものがないので、良い完成をみる事は難しいかもしれません。

例えば、強烈なリーダーシップの職人と、それを順従に聞き合わせられる職人が組めば、きっと100点のものが出来上がります。と言うよりかは、製品の事だけを考えれば、そうすることが良策ですし、そうでなければ100点のものが出来ません。
けれども、どこから、誰が見ても正解と思える方法があったとして、そのこだわりを通し貫くことが、100点のもの作りが出来る事が、本当に本当に大切なことでしょうか。
その過程で、誰かが嫌な思いをしたとしたら、それはまた違ったものになってしまうと思います。

ですから、どちらか片方が極端に合わせるような方法では100点のもの作りにしかならないと私は思います。互いが主張するから製品精度が下がるのではなく、どうしたらもっと良いものが出来るのか、ぶつからない事がけして良いわけでもなく、自分の小さなものさしで測らず相手の意見を受け入れ、そしてまた自分の意見も伝えていくところにはきっと、100点以上のものが出来上がるのだと思います。
こだわりやとらわれも、けしてこうしなければならないという事もなく、考え方や周囲との柔軟性を持つことがきっととても大切なことのひとつですね。

 

 

 

 


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