クラフトフェア

2016/06/01 | Categories:ブログ

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週末は長野県の松本クラフトフェアに行ってきました。
もう32年目になるそうですが、2日間の開催で全国から5万人が訪れるそうで、
モノづくりへの関心の高さがうかがえます。

空が広く、空気の澄んだ解放感ある自然公園いっぱいにテントが張り巡らされ、
300を超える様々なジャンルの作家さんとその作品群が並びます。

木工では色んな材種を使った象嵌やテクスチャーなど、表現の新しい技巧的なものにはついつい目を奪われます。
しかし、私が惹かれるのは伝統と名の付くような、麻の葉や籠目くずしなどの意匠を凝らした竹編みの作品、または半工業製品のような主張し過ぎない竹のカトラリーです。
造りのしっかりしたものは、手にした瞬間に伝わってくるものがあり
「こういうことが感じられる自分になったのだ」と分かったことが
今回良かったことです。

クラフトフェアに感じたことは・・・ものづくりの業界も行き詰まっているのかな?
と少し思いました。びっくりするようなものをついつい期待してしまいます。

建具職人もそうですが、一つの業種、素材を扱えるには10年の歳月を要します。
ですから、木を学んだ人は木、土を学んだ人は土、ガラスならガラス。
どんな作品も一つの素材でしか表現のしようがありません。
だから、もう、世の中にほぼ出尽くしているような気がします。

加えて、ものづくりの人は自分の世界観があるので、協調性に富む人は少ない。
しかし、それを越えていった人こそ新しい人なのでは!?

土と木、ガラスと木、土と皮、木と漆。
違う素材を扱う複数の作家が、考え方や生き方の違いの着地点を見出して、
この世にまだ見ぬ作品を生み出す。
これが新しいものづくりの時代では?などと妄想しっぱなしです。

これは作家だけの話ではなく、私たち職人の世界でも同じです。
技術、価値観、情報、道具etcは共有する時代です。

追いつけ追い越せは闘いではなく、互いを尊重し合うセッション、コミュニケーションだと思います。最新のモノづくりの世界を盃交わしながら作れたら最高ですね♪

なーんて。


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