人生ゲーム「建具職人」

2020/06/12 | Categories:ブログ

お爺のやる格子組みが建具だと思っていました。
家具の方が華やかで、建具の魅力を知っている人は木工職でも少ないと思います。

今、6枚建ての大きな障子の出合部分、角印籠の合わせ削りをしています。
職人として印籠部を触れるまでになるというのは、建具職人という人生ゲームがあるとすると、最終章へ続くトンネル手前くらいでしょうか。

目視(理屈)ではなく、コツンと当たりを付けた感触や触感で探知しているつもりですが、見えないものを見ていく作業は職人としてのより高み。「うーん」と首をひねる。

手押し鉋盤なども同じですが、材料にそっと平に置いた手の触感から、材の水平、捻じれ反りがCTスキャンされたかのように脳裏にその画像が焼き付く。

無垢の仕事はそのようにしていくと良いと思いますが、私はなにもその感覚に優れているわけでもなく、普段から訓練するように心がけていると、グングンと研ぎ澄まされていく人間の本来持つ能力を知ることができます。それは、やろうと思えばだれでも出来るもの。

自分だけのその感覚と対峙していき、それを形にすることが建具の魅力。

でも、まずはその仕事に触れなければ理屈で言っても駄目ですね。
感性の若い内に建具をどんどん触りましょう♫


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