今年最後のお仕事に、隅丸付擦り上げ障子6枚を頂戴しました。いわゆる、建具屋さんの伝統建具の分類で、もし速さ綺麗さを追求するとすれば、工法が決まりきっている建具です。
特に速さを求めると、機械加工ではなく否が応でも手加工が必須になり、ノミ・鋸・鉋、鍛錬なしにはありえず、歳を重ねられた先輩職人さん方は、今はただただ見守ってくれていますが、脂の乗った崇高な雰囲気だった全盛期時代のその半分も、自分は追い付いていない気がします。
この形は一日一枚製作でプロとみなされますが、全国には一日4枚を製作する手馴れの強者も居るそうで、上には上が居るもので、私は満足することはこの先もきっとずっとない職業だと痛感します。
習った時に筆記したノートを読み返しましたが、昔、自分の仕事を止めながら教えて下さった先輩方がとても偉かったんだなぁと思い、怒られしごかれまくった先輩方に今となっては感謝の想いで締めくくれてとても良かった2020年となりました。有り難うございました。
福西