自慢をしようかと思います。
職人さんの、です。
建具は2Dですが、以前、幾何学的3Dの照明具を作らせて頂きました。脚部はかもしかの如く、先に細り、内に外に菱形となっています。
手で数えられる程の数量ではありますが治具を製作するのが通常考えられる製作方法です。しかし神の手は、何も語らず手押し鉋の前まで歩いて、そしていきなりバリバリと激しい音を立てては鉛筆墨をあてに3Dで削り始めました。そして速い。
ベテラン職人さんというのは手道具だけに優れているのではなく、木工機械さえ手の延長の様に、垢抜けた使いこなし方をされます。
そして実は神の手は手押し鉋盤を真骨頂にされていること、その勘所がどこにあるかを私は知っています。
33㍉の反りくり返った框さえ、一面を反りねじれを取りキレイに刃物をあてて、反対側が自動鉋盤で一発、ジーっと木肌がキレイに削り上がってくるのを見ると鳥肌が立ったことは1度や2度ではありません。
至る所に逃げを取った技もあるかもしれませんが、神の手の仕事はいつも逃げない。
自分が出来なくても知っているというのはとても肥やしとなるので、現代職人にはなかなか見られないこういった技術を見逃してはならないと思う日々です。福西