大西商店に入社して3年目、年越しを目前に控えた冬、大きなお仕事を一人で頂いた事をよく覚えています。
休日出勤される職人さんに便乗して、必要にされてないのに工場に出て、とにかく無我夢中だったのです。
愛はあるけど普段は恐ろしい先輩職人さんが、組み立て仕上げだけはさすがに2年目では無理だろうと買って出てくれました。
その職人さんに「上等、上等」と無愛想に褒めてもらい…、また工務店の現場監督様にもお褒めの言葉を頂戴しました。
しかし、たった3年目の小娘に、大きな建具を任せる大西社長の心意気。どうにか一人前にさせたらなアカン!との一つの懸けだったのではないでしょうか。
技術は未熟、勢いや気合いだけで形にさせてもらいました。言われた事だけしていて身になる仕事では無いのですね。
どんな時代でも、「コイツは本気で覚えたいんやなぁ〜」と誰にも分かる、そんな必死のパッチの若者が彗星のごとく現れることを願います。 福西