同じ現場のお仕事を取り掛かって3ヶ月続きです。
ひのきの大きな紙貼り障子を製作しています。そろそろ姿を現しそうな予感の工場です。
先日は立て組子の面取り作業を職人さんと合わせ2000本しました。
社長がよく「面取りがキレイや」と褒め讃えるザ・神の手職人さんに習い、私もその真似事をしています。建具には一段落としの面尻りという仕上げがありますが、このセンスは職人毎に微妙に違いがあり、面白味の一つです。
大半は小手で控えめな面になろうかと思いますが、神の手は横桟ギリッギリ前後左右45度でビシッ!に納め、その鉋から出た屑は真っすぐ一本筋通っているので屑が次の仕事の邪魔にならなくて払えるので早い早い。建具の要、逃げない仕事をされており、やはり組み上がった時の壮観さが
肥えた目のある人にはその様に写ります。
小さく面をとればそれで抑えられる逆目は数多にありますが、
「美さ」はいつも紙一重のところに隠れていて、そう簡単に姿は現してはくれない、というのが「建具」でしょうか。
でもこれら全ては一朝一夕になせる業ではありません。
現代我々の技術は、あるところでは大変秀でていて、でもほとんどは道具を意のままに扱える建具全盛期のベテラン職人さんには追い付いていません。
それでも鍛錬し続け技術を上げるのか、または工法をかえるのか、美しさをかえるのか、新しい建具のカタチがあるかも知れないし、無いかも知れませんね。高みをめざしたいところです。福西