早くて綺麗に

2015/07/26 | Categories:ブログ

2週連続、ブログを忘れた罰則は雑草抜きでも良いのですが、2つ書きます。

この仕事を15年程させてもらうと、私でさえ木の声を聴くことが出来ます。
嘘ではありません。
私はウクレレという楽器をしていますが、それはハワイ産のコアという樹から作られています。木は声を上げないので、意志と関係なく人間本位に伐採されたり、木にも想いや念がある。だからポロンと弾く前に、気持ちだけは向ける様にしています。

 

建具屋にも、木取り方という、いわば番頭のする仕事があります。
木は、節があったり白太があったり、木目を選んで適材適所、人間が木を活かさなければいけないのです。決して捨てる事の無いまで使い切ることが、木に対する人間の感謝の現しです。

でも、木は声を上げない。
木が製材されて私たち職人の手元に来た時、特によく木の声が聴こえます。
人間と木が対峙して、絶対にこれで取ってくれ!という切羽詰まった喜んだ声、
逆に泣いている声。
本当に必死で取られた木は、神々しいというかなんというか、放つものを感じる。

だから、木取り方の仕事は尊い。
それだけの人格と人間力、融和性、リーダーシップを兼ね備えた者でなければいけないと思う。したくても出来ない者も居る。

数を揃えれば良いのではなく、形ができれば良いのでもない、要は心かと思います。
だから私の勝手な考えだけど、木取をする者は、いつの時代だって専門職が良いと思う。
大切にしたら、木は返してくれるから。

なろうとなるまいと大理想ですー
自分我にとらわれずに、もっともっと、上を目指して良いもの作りがしたい。
「早くて綺麗に!」理念はぶれてはだめ-

福西でした

 

 


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