材料に合わせた仕事

2020/11/01 | Categories:ブログ

福西です。取っ組み合いこそしないものの師匠とどちらが材料を割るかで揉めています。先日加工した材料がなかなか騒がしい子だったので、安全第一、刃物を十分に当ててわりはじめたところ、師匠が「下に材料残ってたぞ」と言い、私は「はて?」と思いながらもこれはもしや…騙された風の芝居をしました。すると私の姿のない内にやっぱり割られていました。こういう職人さんが世間にもっと増えると良いなぁと思った工場のひとコマでした。

さて、先日製作させて頂きました建具です。合作で私は母体を触らせて頂きました。杉は杉でもピンからキリまで。十二分の厚みと長さが必要だったので、職人人生屈指の素晴らしい材料を当てて頂きました。するとエライ人から「間違えるなよ」と念押しされ、でも早く仕上げた方が良い雰囲気。。職人って、そんなに間に挟まれる職種だっけ?!ではありますが、材料が材料だけに、今日の鉋では一等材に失礼。木削りをし始めた頃から仕上げ鉋と目違い鉋を仕立てていきますが、それでも尚、思う様にはさせてくれないものですね。

上手くいったのは、ホゾが穴を食い掴んで離さず、伸ばした胴付き長さも全くチビリこまず組立られことです。

未だもって技術が未熟ですが、お仕事を戴ける一助になれるよう腕を磨き続けることが職人の使命かなと思い、初心忘れるべからず、精進努力の日々です。


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