檜の玄関引戸より「答え」

2022/03/16 | Categories:ブログ

製作物の大きさから一人で作業可能な建具職とは違い、大工職の墨付けは芯出しで、丸太に付けた墨半分、つまり墨の真ん中に刃を入れることが全大工衆の「共通項」。
大工職が墨を「共有」できているのに対して、必然コミュニケーション能力は育みにくい、なぜ建具職が墨付けを共有できないのか・・長年問い続けてきた疑問ですが、ようやくその答えを見つけました。

檜の玄関引き戸です。全てが急所であるこういった建具の場合、仕事としての最高到達点はどこか、この極急所は連立子胴付きです。
圧力機械に委ね確実な結果を得るのもひとつですが、明日の穴ほぞの改良点がどうしても不鮮明になるので、極力繊細な感覚から常々探っています。

ただ形良ければではなく、専門職である以上、経過良好を欲張ります。
跳ね返りない組手であること良、横穴が具合よい効果の良、立子組み上げの際に波立たぬ良、極めては立子の白書跡の消滅する物理上の摩訶不思議。

大工職が竹であれば、建具職はさらにミクロンよりの白書きですが、「白書きの墨さえ加減」するから情の醸し出す建具があり、建具職が特別特殊なのです。

逆に言うと、どんな仕事でも2人称以上でする場合、「会話」や「譲り合い」が必須になるので、それらに取り組む職方は「難しい仕事をしていると言えます。

「建具職がその墨付けを共有できない」のではなく、「共有する建具職が素晴らしい」という答えを私はようやく見つけました。

福西


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