皆様、いかがお過ごしでしょうか。
番外編☆本日の建具のコーナー、先日、製作しました建具を紹介します。
今ではすっかり珍しくなりました、いわゆる昔から決まっているデザインの建具です。
この様な建具の場合、製作にはある程度決まり事があり、型があります。
ですから、知識や経験を持つ職人の技術が発揮される、学びの多いこの上ない機会でもあります。
今般、先輩であれ後輩であれ、その仕事内容に、「違い」というものがなくなってきてしまいました。ですから、先輩という立場においては、先輩である価値を残念ながら活かしにくくなりつつある時代だと思います。
習う者の立場でこの仕事に携わった私が、この仕事で感じた事を綴ろうかと思います。
古来からある技法にはおおよそ型があります。創作家具などと違い、もちろん、ピンからキリまでありますが、建具という世界はその技術を継承していく使命のある、
独特の分野世界だと思います。
習う者は、まず、先輩に教えを請わなければいけませんから、そこでまず、言葉やタイミングを学びます。普段からの関係性や、気に入られる努力も必要かもしれません。
そして、仕事を進める上では、普段より整理整頓により神経を注ぎます。
製品に傷をつけないように、製作のみならず、間接的なことにもより手間をかけます。
それだけの価値があるからです。
ですから、作業台の上に置くもの、下に置けるもの、教える者と習う者、上下を作ることは、技術だけでなく行儀や作法、言葉、製品だけでなく人間を作っていける、すべてに置いて学べることが多い事が、「伝統」と名の付く仕事の、開拓ではない、
「伝統建具」の利点です。
このような仕事が多くあれば、規律のある、折り目正しい社会になるとは思いますが、
先に述べたように、先輩である価値を見出しにくい現代です。
しかし、先輩だから見えて難しい仕事をするという当然はもう古い様な気もします。
材料や道具に触れて、やってみなければその仕事は分かりません。
昔の先輩がどの様かは分かりませんが、今の先輩が先輩である価値を見出せるとしたら、後輩が困っていたら、こうしたら良いんじゃないか?言葉や、
時には少し手を出してきっかけを掴ませるフォローをすることかと思います。
いつの時代にも先輩には先輩の仕事が、後輩には後輩の仕事が
形を変えてでもあるような気がしました。
福西