素晴らしい技術を持つ大西商店の職人さん達は、絶対に、ずぇったいに、「奥の手」を持っていると思います。人は誰でも切羽詰まったら、とんでもない「火事場の馬鹿力」を潜在的に持っていると思います。けれど、普段は絶対見せる事はありませんし、もしかしたら本人も気付いていないかも知れません。
それでは一体、どんな時に見せてくれるかというと、「今日中!」の納期の時にひとつ。
それよりも比にならないくらいの「究極の馬鹿力」がでるのは・・・
製造業者、勤め人の悩みゴト。
どこを見渡しても、影も形も、部材さえ!無いのに、もしかしたら材料も出してくれてないのに、「今日中に納品っ!!」と超・無理難題を言ってくる上司・・・。
どこも悩みの種は同じです。
けれど、そんな時、「なんて事言うねん!」とは心の中で思いつつ、
「オヤジの言うことやったら、しゃーないなぁ!」
と思えたら、きっとそれは職人冥利に尽きる☆と言えるのではないかと思えます。
「誰か」の為の無理難題であれば、それはそれで・・・やりたくないけれど仕方がない、
もしかしたら出来るけどそこまで頑張ることが照れくさい、
「けど・・・オヤジの為や!いっちょやったるかー!!」
そう、仕事に情熱を注げたら、職人としては幸せなことではないかと思えるのです。
しかし、職人が自らそのスイッチを押す事はしませんし、押そうにも出来ません。
ただ一人、そのスイッチを握っているのは上に立たれる方の匙加減。
采配ひとつでその職人の、ブータン並み幸福指数を変えてしまう力があるのですから、
恐ろしいやら面白いやら。人生の中でそういう指導者に、出会えたら幸せですね。
話は変わりますが、週末、掃除をしていたら抽斗から出てきたもの。
「2」級建具製作技能士バッチと、「1」級建具製作技能士バッチ。
銀色を見て、
「あぁ、こんな私でも「金」色に至るまでには紆余曲折、唇を噛みしめたことも何度となくあったなぁ~」と懐かしく思えるのであります。
初心を忘れず、「金」色を誇りに、日々精進であります!福西でした。