水を獲た魚、福西です。
麻の葉、胡麻柄という葉を入れた床の間の組子細工の掛け軸を製作させて頂きました。全行程作ったのは初めてです。
この世界、もはや建具職とは別世界。専門職は組子細工師と呼称されるそうです。
いかに隙間なくキレイに作るか、作って初めてその見所、醍醐味を感じられます。表面は鉋仕上げをしましたが、これが、底知れぬ究極の世界の入り口だと鳥肌が立ちました。
過去どこかで、一枚鉋で仕上げた鉋屑が鉋の台から屑を残さずピュンピュンと飛んでいくのを見たことが有ります。そうしなければ一つ前に削った屑が、摺り跡となって表面に筋を残すような、そんな気がしました。鉋の研ぎ、台直し、鉋の運び方、全てが揃って艶のある目違い払いとなるのでしょうか。
「伝統」と名のつく建具に置いて、自分がやり易いとか、自分のやり方などは通用せず、自分我を無くしていかに先人の技術を掘り下げるか、究極きっとそうなのだろうなぁと思います。
ほんの少しだけその一旦を感じられて、その入り口に立たせて頂いたことに感謝です。