昔よく工場内を飛び交っていたのに、最近全く聞かない言葉「そんなもんあっかい(あるか)!!」
本来ある建具には面の大きさひとつ、納まりや加工、段取り、頭で考えて作られたものか、体で覚えて作られたものか何となく現れるもので、勝手をするとよく怒られたものです。
時代の流れに乗り、報連相は必要ですが、かつての職人さんたちのパワーが恋しいなぁと思ってしまう最近、「これでいいか?」と問われると(技術的なことは私に聞かないで!こうだ!と言い切って欲しい)と内心思っている。
それでもまだまだ健在だと思えるのが木削りの時で、これで勢いが付くとその後もスピードに乗れる大事な作業です。刃物がブンブン回ってカッー!となってるなぁと、傍で見ていてニヤリとしてしまいます。
かつて職人たちの原動力は「恥」をかかないが為に必死になりました。
今から使う道具をよっこらしょと準備することが「恥」、1度付けた胴付きが開いてくるということが「恥」。何が良くて何がそうでないかをよく知っていて、だからいつの間にかプライドを纏う様になりました。
一緒に仕事のすることの多い師匠ですが、作業の所々に腕っぷしに自信があるんだろうなという気の強さを見ることがよくあります。先日も組み立て機に入れた建具をノリが乾き始めるまでもうしばらく置いておけば良いものを、瞬時に離してしまう自信の有り様。
私はやっぱりニヤけてしまうのでした。
腕があると、機械離れが良く、皆の仕事が潤滑に回ります。
腕っぷしに自信、見習いたいところです。
福西