別れの季節

2019/04/11 | Categories:ブログ

僕の住んでいる部屋の隣に住んでいるババアが出ていきました。

ババアはゴミ屋敷の主でした。
ババアは基本的にドアを開けっ放しで生活しており、その隙間から見える部屋はゴミで溢れていました。

ババアは自分の部屋だけでは飽き足らず、部屋の前や共同のガスメーターボックスにまでゴミを置いていました。

台風が来た日、ババアの部屋の前に置いていたゴミが風で飛ばされて僕の部屋の前にまで散乱していました。
僕はそのゴミを集めてババアの部屋の前に山盛りにして置きました。
次の日ゴミは片付けられていました。

ババアが急に丸坊主になりました。
丸坊主のババアを見て僕は不動産屋の言葉を思い出しました。
「このアパートの住人はほとんど僕が案内したんですけど、変な人はいなかったと思いますよ。」
ゴミ屋敷に住む丸坊主のババアが「変」じゃなければ「変」って一体なにかね?

一度ババアにいじられたことがあります。
僕が食パンを買って帰った時にババアがいて「ご飯ですか?」と言われました。僕は適当に「まぁそっすね」と流すと「食パンだけですか」とババアは笑いました。
なにわろとんねん。

ある日ババアの部屋に張り紙がしてありました。
張り紙には「再三の督促にも関わらず家賃を滞納し続けたため、今月中に支払いがなければ強制退去させる」と書いてありました。
ババアは38万家賃を滞納していました。

ババアの部屋の前が綺麗になりました。
38万は払えなかったようです。

仕事から帰ると駐輪場にババアがいました。
ババアは「私、今日出ていきます。お元気で。」と言い残し、駐輪場にゴミを山盛り置いて去っていきました。

ゴミを散らかすうっとおしいババアだと思っていましたが、いざいなくなると少し寂しい気持ちになりました。
「ゴミ屋敷に住む38万滞納した丸坊主のババア」という強烈な個性に出会うことはもう一生ないでしょう。
ゴミを見る度にババアを思い出します。

隣の部屋はいつまでも綺麗なままです。

fin


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